以下の語句を簡潔に説明せよ。
(1)コーホート効果(オリジナル)
(2)標準責任準備金制度(オリジナル)
(3)予定利率のビルトイン方式(平成3年度大問1(1))
(1)コーホート効果
コーホート効果とは、生まれ育った時代環境によるその世代固有の特徴をいう。例えば、昭和一桁世代の男性の死亡率はその前後の世代と比較して高いと言われている。
(2)標準責任準備金制度
標準責任準備金とは、保険業法第116条により、各保険会社が定める保険料水準にかかわらず、監督当局が保険会社の健全性維持と保険契約者保護の観点から定める責任準備金のことである。標準責任準備金の評価基礎率は、平成8年大蔵省告示第48号にて水準等が定められているが、営業保険料の計算基礎率は各社の判断で決定すべきものであり、必ずしも標準基礎率にあわせる必要はなく、十分性を検証したうえで、より低廉な営業保険料を各社設定すればよい。ただし、標準基礎率に比べて低廉な保険料設定をした場合、保険期間の途中で積立負担が生じる。
(3)予定利率のビルトイン方式
ビルトイン方式とは、保険期間をいくつかに分割し、そのそれぞれに異なる予定利率を適用する方式である。この方式は将来の運用利回りの予測に不確実性が大きく、長期間一定の予定利率を保証することが困難な場合に用いられる。このため、後の期間ほど低い予定利率が用いられることが多い。適用する予定利率が契約時に確定している点で、予定利率変動型保険とは異なる。