問題
アセット・シェアの計算における「契約群団方式」と「代表契約方式」について簡潔に説明せよ。(平成19年度大問1(4))
【契約群団方式】
契約群団として包括的にアセット・シェア計算を行う方式。
契約群団の設定にあたっては、その群団を構成する保険契約が損益の発生状況のうえで同等とみなせる範囲で設定することが求められる。
区分経理上の商品区分、保険事故の種類、契約経過年度別が最低限の群団化となるが、実際にはさらなる細分化が必要である。
ただし、精度の向上と実務負荷はトレードオフの関係にあるため、アセット・シェアの活用目的や重要性に応じて判断する。
【代表契約方式】
各契約群団から代表契約を選定して、この契約のアセット・シェアが当該契約群団を構成する保険契約のアセット・シェアを代表するとみなす方式。
この方式は実務負荷に考慮しつつ精度向上を図る際に有効である。
さらに代表契約方式は以下の2方式がある。
・契約群団を代表契約1件で代表できるまで細分化する方式
・契約群団の細分化は一定レベルにとどめ、契約1件で代表できないときは複数件の代表契約を選定する方式
後者は、計算を簡易にできる長所があるが、契約群団を大括りに設定する場合には、代表契約の選定にあたり、その妥当性を十分に検証する必要がある。
なお、日本アクチュアリー会の「生命保険会社の保険計理人の実務基準」に規定される配当財源の確認に際してのアセット・シェアの活用にあたっては、代表契約方式の採用が明記されている。