問題
(1)投資回収年度(Break Even Year)および内部収益率(Internal Rate of Return)について、その定義ならびに活用方法について簡潔に説明せよ。(平成18年度大問2(2)②)
(2)プロフィット・マージンの計算において現在価値を求める際、資産運用利回りを上回る率である危険割引率で割り引く場合があるが、そのことの意味を2つ簡潔に説明せよ。
(1)
【投資回収年度】
・定義
利益の終価がプラスに転じ、その後もプラスであり続ける場合の、そのプラスに転じる最初の保険(または事業)年度のこと(もしくは、ある期間までの利益の(契約成立時点における)現在価値がプラスに転じ、その後もプラスであり続ける場合の、最初の保険(または事業)年度のこと)
・活用方法
投資回収年度の指標を活用すると、プロフィット・マージンでは測定困難な、利益の発生時期を判断することができる。
【内部収益率】
・定義
初期投資がどのような利率で回収されるかを表す指標。将来の利益の現在価値(プロフィット・マージン)をゼロとする割引率のことでもある。
・活用方法
株主的な観点からは投資判断の指標として、保険契約者の観点からは金融商品としての利回りのひとつの指標として活用される。
(2)
危険割引率で割り引く意味としては次の2つがあげられる。
①将来の予測値には不確実性が大きいので、その分を過小評価する意味。
②保険会社への投資家(株式会社の場合は株主、相互会社の場合は既存の契約者)が期待する、一般の金融商晶以上の収益率という意味。この危険割引率で計算した税引後利益の現在価値がゼロ以上となれば、投資に値する会社であると判断される。