モデル選定

問題

商品毎収益検証のモデルを選定する場合の論点を4つ、簡潔に説明しなさい。(2018年度大問1(3))

商品毎収益検証のモデルを選定する場合の論点は、以下の4 点である。
1.キャッシュフローの発生のタイミングをどうとらえているか。
例えば、契約の発生時期の分布、死亡事故・解約等の発生時期の分布、事業費の発生時期の分布、利息の付利の仕方などである。
2.検証項目をどう選定するか。
例えば、消滅時配当を考慮するか否か、ソルベンシー・マージンを考慮するか否か。また、事業年度単位で収益を検証する場合には、支払備金、IBNR 備金、危険準備金、追加責任準備金、およびその他諸積増を含ませることも検討するべきである。
3.検証目的と見合っているか。
商品ごとの収益性およびシナリオに対する収益性の感応度を、商品間で比較・分析する場合、 保険年度単位のモデルでも十分である。実際の決算に与える影響まで検証する場合には、事業年度単位のモデルが必要になろう。また、決算見込み、短期収支計画等の詳細な将来予想が必要とされる場合は、月単位のモデルが不可欠となる場合もあろう。 理想的には商品毎収益検証のモデルをそのまま会社モデルとして使用できることが望ましい。
4,実務的であるか。
例えば確率論的手法を用いて将来収支分析を行なう場合、数百本以上のシナリオに対する利益の感応度を検証することになる。モデルの選定及びモデル・ポイントの数によっては分析時間が実務的でなくなる場合がある。必然的に簡便で効率的なモデルを用い、モデル・ポイントの数を減らして、実務対応することとなる。 また、事業費と運用収益の仮定はよく変更が加えられるので、それらの変更が容易なモデルとする必要がある場合がある。

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