問題
団体定期保険における経験料率について説明しなさい。(平成20年度大問1(2))
経験料率とは、団体生命保険が(1)個々の保険金の支払いが発生しても契約は継続する、(2)団体を単位として保険料が払い込まれ、団体毎にその発生状況は常に把握できる状態にある、といった特質を持つことを考慮し、初年度は被保険団体等の区分による男女別・年齢別に定められてた料率を基準にして団体の料率を定めるが、次年度以降はその団体の死亡実績に応じて保険料率を増減して調整する方式である。
具体的に保険料率を調整する方法としては、①過去の経験から将来を予想して次期以降の保険料率を定める方式と、②過去の経験により配当を支払いその年度の実質保険料を調整する配当精算方式がある。
前者は、個々の団体の支払実績に基づき、プーリングの概念を導入して将来の支払額を予測するもので、クレディビリティーの公式によって算出される。
一方、後者では、剰余金(=保険料十発生利息一事業費一保険金費用一剰余金に対する費用)が、経験配当金として還元されるが、ここにおいても保険金費用の決定にはプール方式が導入される。このプール方式には、基本的な2つの方法として、信頼度方式と損失限度方式がある。