資産負債管理の対象となるリスク

【市場リスク】
市場価格の変動やボラティリティの変動等によるリスクで、以下のリスクが含まれる。
・金利リスク（市場における信用スプレッドの変動を含む）：金利の変動やそのキャッシュ・フローへの影響による損失リスク
・株式、不動産およびその他の資産のリスク：株式およびその他の資産の市場価値の変動から生じる損失リスク
・外国為替リスク：為替レートの変動から生じる損失リスク
・市場リスクに関連する信用リスク：市場リスクのエクスポージャーの調整に際して、カウンターパーティーの信用リスクのエクスポージャーが高まる可能性がある。

【保険引受リスク】
保険契約を引受けることによって発生する保険事業特有のリスク。
具体的に資産負債管理で考慮されるべきものとして、支払方法選択オプション、解約権や契約変更権などの、保険契約者に与えられるオプションがある。仮にこれらが適切に管理されていない場合は、保険会社には、保険契約期間中追加の費用が発生し、潜在的には流動性コストとなり得る。保険会社は、組込オプションの特性やそれらが資産負債に与える影響を理解しなければならない。
また、商品開発においては、適切にプライシングされ、付随の投資戦略が適切になるようにその特性が十分理解されなければならない。

【流動性リスク】
流動性リスクとは、支払事由が発生した際、それに充当するためのキャッシュ・フローを負債に対応した資産の中で十分に用意できない場合に生じる損失の大きさのことである。このとき、保険会社は好ましくない価格で他の資産を売却せざるを得ない場合もある。保険会社の流動性の特性は、資産と負債によって決定され、市場の環境に応じて変化する。