営業保険料計算(アキュムレーションタイプ)①

問題

営業保険料の算出方法で、Equation TypeとAccumulation Typeについて説明し、それぞれのメリットとデメリットを述べよ。(平成8年度大問2(1))

Equation Type:
【概要】
営業保険料の収入現価が、保険給付・事業費の支出現価と利益の現価との合計に等しいという前提から、方程式を導き、営業保険料率を求めるものである。

【メリット】
・原理が単純であり、計算量が少なくて済む。

【デメリット】
・保険年度ごとの利益水準がそのままでは不明である。

Accumulation Type:
【概要】
将来のある時点を定め、収支残の累積計算による純利益が利益目標に見合う営業保険料率を、次のような手順で定めるものである。
手順1:利益目標を設定する。
例えば、(ア)第20年度末のアセットシェアの目標をその時点におけるキャッシュバリューの110%に置く(Hoskins’ method)、(イ)20年間の利益現価合計額を保険金対千5ドルとする(Anderson’s method)といった利益目標が設定される。その際、利益目標は複数でも良い。
手順2:仮保険料率を別の手法で定めておく。
伝統的手法やEquation Typeといった別の方法で、仮の保険料率を計算する。
手順3:仮保険料率に応じた適切な配当率を設定する。
手順4:その仮保険料率を用い、利益目標額設定の仕方に応じたテストを実施する。
利益目標が手順1の例で(ア)の場合は累積収支残、(イ)の場合は毎年の利益額を計算する。
手順5:仮保険料率の変動1単位あたりの純利益への影響を計算する。
手順6:手順5の結果を用い、利益目標に見合う保険料率を求める。
手順7:すべての保険料率を計算したうえで、年齢、保険期間など相互の調和性・整合性やその他要件に対する適合性をチェックする。問題が生じた場合は、手順1に戻ってやり直す。

【メリット】
・利益目標に連動して、保険料率を試行錯誤により設定していくことができる。
・各経過年度末の累積収支残を算出しているため、状況の変化に伴って収益性を検証し、場合によっては保険料率を変更するなどの試算も比較的容易である。
・総合収益的な発想に基づく保険料率設定が可能である。

【デメリット】
・計算が複雑である。
・算式に用いるパラメータが多く、これらの設定方法に検討を要する。
・伝統的な料率設定方式を前提とした利源分析や利源別配当方式についても見直す必要があり、料率設定以外にも与える影響が多い。

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