問題
(1)「医的査定」「環境査定」について簡潔に説明せよ。
(2)競合環境の中で引受範囲が広い場合と狭い場合のそれぞれで留意すべき点を述べよ。
(1)【医的査定】
健康に関する告知内容や医師の診査等による情報に基づき、将来にわたる引受リスクの程度を測る。
【環境査定】
収入や資産状況による、保障の充足性や継続的な保険料支払能力の確認。契約当事者としての責任能力(例えば、高齢者や未成年)の確認。モラルリスクの検知(保険取引によって利益を得ようとする行動、反社会勢力、資金洗浄)。
(2)【引受範囲が広い場合】
他社より有利な引受条件となる領域の被保険者が偏って加入され、想定以上の保険金・給付金の支払が起こり、会社の収益に悪影響をもたらすことになる(逆選択)。顧客が生命保険を選べる環境が進化するにつれ、競合ポジションや収支動向への影響を、慎重にモニタリング・予想する重要性が増す。
【引受範囲が狭い場合】
相対的に健康な被保険者集団を形成することになり、死亡率といった質的な動向を懸念する必要はない。ただし、引受範囲としない顧客に対して、適正な条件付与によって引受できる機会を損なっていないか、顧客やマーケットから「厳しすぎる」という評判を以て会社の健全性に悪影響を与えることがないか、といった点を注視する。