ロック・イン方式

問題

責任準備金評価の一つに「相当程度の確度で保険契約上の債務を将来にわたり遂行できるか」があるが責任準備金の計算基礎率をロック・インとする方式とロック・インとしない方式を比較した場合のロック・インとする方式のメリットおよびデメリットを簡潔に説明せよ。(平成25年度大問2(1))

【メリット】
○利益の安定性
責任準備金評価基礎率の遡及変更は、責任準備金の大幅な変更をもたらす場合がある。責任準備金の評価にあたっては支払能力の確保だけでなく、適正な利益の算出の目的も意識する必要があり、利益に与える影響が少ないロック・イン方式の方が望ましい面がある。

○契約者配当の安定性
利益の変動が少ないことにより、契約者配当を計画的・安定的に行える面がある。

【デメリット】
○金利低下局面でのソルベンシーの確保
契約時の評価基礎率を使用し続けることから、金利低下局面では、契約時の高い利率を用いて責任準備金を少なめに評価することがあり、支払能力の面で問題となる場合がある。

○金利上昇局面でのサープラスの過小評価
金利上昇局面では、債券を時価評価する場合、サープラスが過少に評価される欠点がある。

○予定利率の設定方法
標準責任準備金制度においては、標準利率が足元の市場金利とマッチせずに低い水準となっている場合、保険料計算用の予定利率を直近の市場金利に合わせると、標準責任準備金積増が発生することがある。

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