商品区分と全社区分との取引

問題

区分経理における商品区分と全社区分との取引について分類し、簡潔に説明しなさい。(平成22年度大問2(2))

商品区分と全社区分との間の取引は、資金の流動性の確保又は保険金等の円滑な支払のために行われる賃借、出資、その他の取引に分類される。
(1)賃借
①現預金等の賃借
賃借ごとに他の商品区分又は全社区分と区別して管理する。また借越しが継続しないように限度額等を設ける必要がある。
②現預金等以外からの賃借(貸付)
全社区分から商品区分への貸付は、異常な保険金の支払い、新商品の販売に伴う事業運営資金、その他やむを得ない事情がある場合に限定される。また、商品区分から全社区分への貸付は、全社区分の規模が小さいためにその機能を十分に果たすことができない場合に限定される。貸付を行う場合、金額、利率、期限その他の返済条件をあらかじめ定めておく必要がある。

(2)出資
全社区分から商品区分への出資および商品区分から全社区分への出資も、貸付と同様の場合に限定される。出資を受けた商品区分又は全社区分において、剰余金が発生した場合、出資に対応する金額を出資した商品区分又は全社区分に配分される。

(3)その他の取引
・資本又は危険準備金等の積み増し、取り崩しに係る取引
・転換等により、責任準備金等を転換後等の商品区分に支払う取引
・新契約費を全社区分から支払う場合に、商品区分から全社区分に新契約費相当分を支払う取引
・全社区分における共有資産等に対する対価として、各商品区分が使用料等を支払う取引
・商品区分における特定のリスク発生による損失実現時に、全社区分から当該商品区分に当該損失実現額を支払う取引(あらかじめ保険数理的に定められた対価を支払ったものに限る。)
・商品区分又は全社区分において、将来回復が見込めない重大な損害が発生し、全社区分又は商品区分からその損害のてん補を受ける取引

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