問題
支払備金についてその意義も含めて簡潔に説明せよ。(平成18年度大問1(5))
保険金等で、
A:支払義務が発生しているが、決算期においてまだ支出として計上していない保険金等
B:決算期においてまだ支払事由の発生の報告を受けていないが、支払事由が既に発生したと認められる保険金等(既発生未報告備金:IBNR備金)
がある場合、「支払備金」として積立てなければならない。
生命保険会計における費用の計上基準は発生主義である。実務上は、期中の保険契約上の保険金等を、その支払時に現金主義により処理し、事業年度末において「支払備金」勘定を用いることによって発生主義による処理に修正する。
【関連法規】
保険業法施行規則第73条は、保険会社が毎決算期に支払備金として、「保険契約に基づいて支払業務が発生した保険金等(当該支払業務に係る訴訟が係属しているものを含む。)のうち、毎決算期において、まだ支出として計上していないものがある場合は、当該支払のために必要な金額」および「第72条に規定する保険金等についてその支払のために必要なものとして計算した金額」を積み立てなければならないことを規定している。
保険業法施行規則第72条は、保険業法第117条で支払備金を積み立てなければならない「保険契約に基づいて支払業務が発生したものに準ずるもの」について、「保険金、返戻金その他の給付金であって、決算期において、保険会社が、まだ支払事由が既に発生したと認められるもの(いわゆるIBNR)」と規定している。