語句説明(会計)

問題

以下の語句を簡潔に説明せよ。
(1)基礎利益
(2)その他返戻金
(3)エンベディッド・バリュー(Embedded Value)とアプレイザル・バリュー(Appraisal Value)

(1)基礎利益は、保険業務や運用業務といった生命保険会社の本業で得た利益を示すもので、「経常利益」から、金融市場の変動に影響される損益である有価証券売却損益・有価証券評価損等の「キャピタル損益」、及び、危険準備金繰入(戻入)額、個別貸倒引当金繰入額等の「臨時損益」を控除して計算する。

(2)保険金等支払金の一項であり、前納契約が焦熱した場合の前納残高の返還金、契約の無効、取消、解除などによる返戻金、共同引受けの団体年金でのシェア減少による払出しなどが含まれる。

(3)【Embedded Value】
○考え方
潜在価値会計は、保険契約から生じる将来のキャッシュ・フローを予測し、それから計算される将来の期待利益の割引現価と、純資産等に基づき定義される「生命保険会社の経済的価値」を計算するとともに、その額の年間の変化量により当期純利益を計算しようとするもので、資産負債法による会計の一つである。
○意義
経営者や投資家等にとって、法定会計による財務情報のみでは、生命保険会社の経営成績や企業価値を読み取るのが困難と考えられる。潜在価値会計は、生命保険会社の経営成績の実態に即した会計であり、生命保険会社の経済的価値を表すことから、法定会計による財務情報を補うことができる。
○特徴
・新契約時に将来利益が認識され、解約時に将来利益の喪失が認識されるため、経営成績の実態に即している。
・経済的価値の水準は、計算前提により大きく変化するため、期間損益の把握は容易ではない。また、計算前提の設定には共通原則がないため、客観性、比較可能性が十分ではない。
・経済価値の把握のため、ロックイン方式は適用されない。

【Appraisal Value】
生命保険会社が保有すると考えられる新契約獲得のポテンシャリティを、将来見込まれる新契約から得られるであろう将来の年々の法定会計上の損益の割引計算により評価しEVに加算したもの。

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