問題21 以下の問いに答えてください。(収支分析:責任準備金)
保険計理人は、法第 121 条第 1 項第 1 号の規定に基づき、責任準備金が健全な保険数理に基づいて積み立てられていることを確認しなければならない。そのために行う収支分析を1号収支分析という。
分析の主な要件は以下の通りである。
・将来収支分析は( 1 )行うこと。
・分析を行う期間は少なくとも( 2 )年であること。
・( 3 )の商品ごとに行うこと。
・原則として「( 4 )」によること。
上記の空欄を埋めてください。
1. 毎年
2. 10
3. 区分経理
4. オープン型
シナリオの設定の際に留意すべき事項は以下の通りである。
・( 5 )は、原則として含めない。
・( 6 )、保有契約継続率および保険事故発生率などは、将来の変化を見込み、反映しなければならない。また、( 7 )のシナリオとこれらの項目との相互の影響を考慮しなければならない。
・将来の株式・不動産の価格、( 8 )等の変動による損益の発生については、原則として考慮しない。
・将来の重要な( 9 )の変更については、考慮しなければならない。
上記の空欄を埋めてください。
5. 株式の含み益
6. 新規約進展率
7. 金利
8. 為替レート
9. 経営政策
問題22 以下の問いに答えてください。(収支分析:責任準備金)
オープン型のシナリオとクローズド型のシナリオでどちらが保守的かは容易に分からない。その理由はなぜか答えてください。
将来の新契約を加味しない方法をクローズド型という。クローズド型では、将来の事業費が割高となり、これをいかにコントロールするかが問題となる。
将来の新契約を考慮する方法をオープン型という。オープン型は、将来の新契約獲得に伴う新契約費が、どれほど将来の収支に影響を与えるかを考慮しなければならない。
よって、いずれが保守的といえるかは容易にはわからない。
1号収支分析の結果、どのような場合に責任準備金の積み立てが十分であると判断することができるか答えてください。
標準責任準備金を基準とする保険契約については、90%以上のシナリオにおいて、分析期間中の最初の 5 年間の事業年度末において標準責任準備金の積立てが可能である場合
金融庁長官の認可に基づく責任準備金を基準とする保険契約については、90%以上のシナリオにおいて分析期間中の最初の 5 年間の事業年度末において金融庁長官の認可に基づく責任準備金(ただし、特別の事情により、特定の事業年度だけ積み立てることが認可された責任準備金を除く。)の積立てが可能である場合
問題23 以下の問いに答えてください。(収支分析:アセットシェア)
アセットシェアとは何か、その定義を答えてください。
保有契約を保険数理上同質と認められる群団に区分し、これから生じるキャッシュフローを実績に基づく運用利回り、死亡率、事業費、解約失効率等を用いて計算して得られる正味資産を、ある時点(将来の時点でもよい)において各契約に割り当てた、個々契約の持分もしくは貢献度
アセットシェア計算の目的を答えてください。
・保険料率の計算
・責任準備金の充当性の確認
・配当率決定と財源確認
・会社組織変更における社員持分資産の確定
・解約返戻金の水準検証
・商品販売政策の立案
・営業職員給与規定の検証
問題24 以下の問いに答えてください。(収支分析:アセットシェア)
日本において補助的な手段に留まっていたアセットシェアが、平成8年改正の保険業法等で規定されるに至った背景を答えてください。
・保険価格の自由化、弾力化の趨勢の中で、同一保険会社で料率や配当で格差を設ける商品を発売する場合における、合理的な根拠づけが必要になったこと。
・資産運用を取り巻く環境が大幅に変動する環境にあって、従来の利源別配当方式の限界が顕在化しつつある中、総合収益ベースでの配当分配方式の導入の必要性が高まったこと。
・相互会社の株式会社化に伴う手続きが保険業法に明記されたことに伴い、旧会社の社員の持分計算を決定する必要があったこと。
問題25 以下の問いに答えてください。(収支分析:アセットシェア)
代表契約方式とは何か、説明してください。
各契約群団から代表契約を選定して、この契約のアセットシェが当該契約群団を構成する保険契約のアセットシェアを代表するとみなす方式。
代表契約方式はさらに
・契約群団を代表契約1件で代表できるまで細分化する方式
・契約群団の細分化は一定レベルにとどめ、契約1件で代表できないときは複数件の代表契約を選定する方式
に分けられる。後者の方式は計算が簡便だが、代表契約の選定が妥当か充分に検証する必要がある。