問題
危険保険料式再保険について、その活用目的も含めて説明しなさい。(平成29年度大問1(5))
【概要】
危険保険料式再保険とは、危険保険金額(理論的には出再保険金額から消滅時の責任準備金を控除した金額であるが、単純化のために経過年数のみの関数による近似式を用いることが多い。)に基づいて保有・出再額が決定される再保険方式である。再保険料は自動更新条件付1年定期再保険(YRT)の料率が用いられ、毎年再計算される。出再会社から受再会社に大きな資産移転がなく、事務管理が容易である。
【活用目的】
移転される保険責任は、死亡率等の発生率関係に限られる。このため、伝統的な再保険目的で利用されることがほとんどである。例えば、元受会社の保有限度額を超過する額を出再する場合や、条件体契約に対し再保険会社から競争的な評点の提供を受ける場合に活用される。非伝統的な目的での活用方法としては、保険関係リスク相当額を減少させることによるソルベンシー・マージン比率の改善があげられる。