αーβーγ方式

問題

αーβーγ方式について簡潔に説明し、そのメリット、デメリットを述べよ。(平成元年度大問2(2)、平成20年度大問4(1))

αーβーγ方式とは付加保険料方式の一つである。αは保険金比例の新契約費、βは保険金比例の維持費、γは保険料比例の維持費である。これらに保険料比例の新契約費(δ)を加えることもある。

【メリット】
・同一保険種類の中では、保険期間、加入年齢に無関係な付加保険料の方式であり、その中では普遍性が保たれている。
・数少ないパラメータで付加保険料を決定できる簡明性がある。
・費用主義、効用主義の主張をともに一定程度満足している。
・新契約費、維持費、集金費のそれぞれの支出実態と予定事業費の対応が取りやすく、収益管理が容易である。
・利源別配当方式においては、配当率の設定が容易である。

【デメリット】
・費用主義の観点から、1件あたりの経費が反映されない等、支出実態と乖離する部分がある。
・効用主義の観点から、貯蓄効用に対応する付加保険料はV比例が適しているが、反映されていない。
・貯蓄性商品において、契約当初の利回りが低下し、商品性の面で問題が生じる場合がある。
・満期を設定しない保険料建ての貯蓄性商品等の保険種類ではS比例の新契約費はなじまない。
・定期性の強い商品においては、経過の浅い時期での解約の場合、会社持ち出しが生じ収益の悪化を招きやすい。
・ユニバーサル保険や変額保険において普遍的な適用には無理が生じる場合がある。
・年齢、保険期間によっては保険料の大小比較において矛盾が生じる場合がある。例えば、定期性商品で同一年齢では保険期間が短くなるにつれて保険料が高くなるケースがある。

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