問題
価値基準会計について計算の概価値基準会計(潜在価値会計)等におけるハードル・レート(リスク割引率)の設定方法である「トップ・ダウンアプローチ」と「ボトム・アップアプローチ」についてそれぞれ簡潔に説明せよ。(平成30年度大問1(6))
○トップ・ダウンアプローチ
トップ・ダウンアプローチは、会社のリスク特性に基づき、全ての商品について単一の割引率を適用する方法である。通常、リスク割引率を、加重平均資本コストを計算して求める。この方法は、会社の資本構造を反映して資本の調達コストを計算する者であり、株主資本コストは、通常、CAPM理論に基づく方法により計算される。
○ボトム・アップアプローチ
ボトム・アップアプローチとは、各キャッシュ・フローのリスク特性に基づきリスク割引率を設定する方法である。このアプローチは、各契約ラインに付随するリスクを反映して割引率を設定するものであり、トップ・ダウンアプローチよりも透明性の高い、各事業リスクに適した割引率の設定が可能となるが、実務上の取扱いは煩雑になる。市場整合的EVは代表的なボトム・アップアプローチに分類される。