価値基準会計

問題

価値基準会計について計算の概要を説明せよ。(平成15年度大問3(2))

○計算の概要
「生命保険会社の経済的価値」を現在保有する契約から得られる将来利益のハードル・レートによる割引現価及び実質純資産に基づきとらえ、これの年間の変化量により当期利益を計算しようとするもの。
(保有契約の経済的価値は、将来その契約から期待される法定会計上の利益からソルベンシー・マージン等の必要サープラスの増加分を差引いた利益をハードル・レートで割り引く。実質純資産の額としては、資本の部の金額に資本性引当金の追加や、市場価値評価されていない部分の市場価値評価への変更等の修正可否も考慮に入れる。)
実際の経験率がすべて予定通りであれば、次年度以降の価値基準会計上の当期利益は「年始保有契約の経済的価値×ハードル・レート」で表される。
実際には、次の3要素の合計となる。
・純資産からの利益(純資産部分の投資収入+増資・減資等による純資産自体の増減)
・年始の保有契約からの利益
・その年度中に締結された契約からの利益
会社勘定と各保険セグメントとの資本取引を勘案した広義の責任準備金を定義し、法定会計ベースの損益をこの広義責任準備金を用いて書き直す方式(誘導法)がよく用いられている。
広義責任準備金=法定責任準備金―会社勘定より貸し付けられた自己資本残高

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