問題
生保標準生命表2007(年金開始後用)の作成過程を簡潔に説明せよ。(平成12年度大問1(9)改題)
生保標準生命表2007(年金開始後用)は、第19回生命表(2000年)を基礎表とした上で、主に次のような処理を行って死亡率の安定性・安全性を加味している。
(1)将来の死亡率改善の反映
①死亡率改善
人口動態統計より性別・5歳群団別・死因別に1980年から2000年までの年平均改善率を算出する。
②コーホート効果の除去
男子の45歳から52歳は、44歳と53歳の年平均改善率を直線補完する。
③将来死亡率の推定
今後も、上記で求めた改善率で毎年死亡率が改善していくとして、将来の死亡率を推定する。推定する「将来」としては、原則として1960年生まれの人が各年齢に達する年とし、第19回生命表の死亡率に、2000年からその「将来」までの年数だけの死亡率の改善を加えたものを、「将来の死亡率」とする。
ただし、最低でも20年分の死亡率の改善を見込むこととする。
(2)補外
高齢と若齢の補外を行う。高齢は、94歳以降について最小2乗法により3次曲線で近似した。若齢は16歳以下の死亡率を第19回生命表の60%として算出した。
(3)生存リスク方向への補整
「単年度のブレへの対応」、「改善率見込み差異の吸収」、「母数(会社規模)の差による違いの吸収」、「代表生年の違いの吸収」、「元データを国民表とすることへの対応」という観点から、死亡率の安全性を目的として、改善率反映後の死亡率に85%が乗じられている。